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4月号 「日本の登山文化、なぜなに不思議」

4月号 「日本の登山文化、なぜなに不思議」

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「日本の登山文化、なぜなに不思議」

 私たちは今、どんな登山をしているのでしょう。そして、これからどんな登山をしていったら良いのでしょう。それは人それぞれ、ご自分の好きなように登ればいいわけですが、そんなことを考えるとき参考になりそうな面白い記事を「山と渓谷」という山岳雑誌の記事から見つけました。「山渓2015年2月号」に「日本の登山文化、なぜなに不思議」と題して、日本在住で登山を楽しむ外国人の方たちに、日本人登山者の行動様式や慣習でちょっと気になる点を挙げてもらうという記事が掲載されていたのです。

まず、共通して多くの外国人が言っていたのは、すべてタイムスケジュールどおりに登ろうとする日本人が多いということです。何時間もかけて山頂に辿り着いたのに、すぐに「さあ、次に向かいましょう」と、スケジュールを消化することが優先されている気がしたというのです。しかし、彼らは、山を下りた後、温泉に入り地元の料理を食べて地酒を飲んでと欲張ってアフター登山を楽しむ日本人が多いことにも感心していますから、「スケジュールを消化するのが優先」というよりも早くお酒が飲みたくて急いでいたのかもしれないわけで、私たちは一度に楽しみを詰め込みすぎるので忙しくなるということなのかもしれません。これは日本人の民族性にも関わる習性なのかもしれませんが、山の自然だけにじっくり触れ合うようなゆっくり登山も時にはやってみたいものです。

次に彼らが感じるのは装備のことです。あるフランス人はこう言います。「装備に関しても日本では、完全をめざしすぎるように思えますね。あれもこれも便利だから、必要だと思って全部詰め込んで重いザックを背負っているケースをよく見かけます。ヒマラヤに行くような重装備で、1泊の小屋泊まりだったりしますから。」日本の山の本にはよく装備の一覧リストが載っていますが、ヨーロッパではまず見かけたことがないそうです。装備リストを参考にするのはいいですが、リストを見て準備すると大抵は重装備になってしまいますので、緊急、救急のときの装備を除けば、2,3回山に行ってみて一度も使わなかった装備は次回から置いていくくらいの気持ちが必要だと私も思います。重過ぎてバテてしまっては、元も子もないですから。ヨーロッパでは、日本のような「万全な装備イコール安全」という考え方ではなく、「最小限の装備でスピーディーに登る身軽さが安全につながる」という考え方が強いという話もとても参考になりました。

「日本の山は、とにかく家族連れが少なく、年配の人が多くて偏った印象です」との指摘も、耳の痛いところです。ただ、「山で子ども連れがいないのは淋しいことですが、日本人の元気な60代や70代の登山者を見ていると、自分もあと20年、30年後でもバリバリ登れそうだと励みになります」とも言っているので、中高年登山者が多いことは日本の誇り、そこを大切にしながら、これからはファミリー登山や若者登山など老若男女のバランスのとれた登山が望まれるのでしょう。

日本の登山の現状について、彼ら外国の登山愛好家が不思議と感じる点はこの他にもたくさんあるようですが、日本の山を素晴らしいと感じている点は共通しています。日本の山の良さを讃える彼らの言葉を聞きながら、私たちも日本の登山、自分たちの登山の明日について考えていきましょう。「日本中が山だらけと言ってもいいかもしれません。どの都道府県に行っても個性ある山がありますから、自然や山好きにはたまらないですね。」「日本の山は都市部からとても近いですよね。電車やバスに乗って1~2時間で行けます。朝起きて、どこかに登ろうと思ったら、すぐ出かけることができるし、山の数も多いので、毎週末、出かける所に困りません。」「私は日本の魅力は、変化に富んだ山がたくさんあることだと思います。標高が上がっていくにつれて植物もさまざまで、林になり森になって、森林限界を超えると岩稜の山がそびえている。四季があるから、さらに山の変化のバリエーションは幅広い。」

上野 司

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