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12月号「ニッポンの宝・山の温泉万歳」

12月号「ニッポンの宝・山の温泉万歳」

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市民ハイキングやワゴン車の山旅の際、登山後必ず温泉に入る。今は日帰りの温泉施設が各地にあるので、ほとんどの場合車で30分も走れば温泉入浴を楽しむことができる。私もこれまでどれくらいの数の温泉に入って来たことだろう。記録をきちんと取っていないので詳しいことはわからないが、もう200くらいの温泉に入って来たのではないかと思う。最初の頃から、温泉のパンフレット集めでもしていたら、今ごろみんなに誇れる温泉パンフコレクターになっていたかもしれない。

『山と渓谷2007年10月号』は「保存版・山の温泉大全」という特集を組み、その中で「あなたの好きな山の温泉は?」という読者アンケートを取っているが、その1位から10位は以下のようであった。

  1. 白馬鑓温泉
  2. 安達太良・くろがね温泉
  3. 八ケ岳・本沢温泉
  4. 北アルプス・高天原温泉
  5. 那須・三斗小屋温泉
  6. 八ケ岳・赤岳鉱泉
  7. 北アルプス・蓮華温泉
  8. 北アルプス・阿曾原温泉
  9. 北アルプス・みくりが池温泉
  10. 九重・法華院温泉

さて、皆さんはこの中でいくつの温泉に入ったことがあるだろう?私は、残念ながら1位の白馬鑓温泉、6位の赤岳鉱泉、9位のみくりが池温泉には通過したことはあっても入浴したことがないのだが、あとの7つの温泉にはゆったりと入り、温泉入浴を堪能したことがある。冬山や山スキーで凍った身体を温めてくれた「くろがね温泉」「本沢温泉」「蓮華温泉」、紅葉を眺めながら入った「三斗小屋温泉」「阿曾原温泉」「法華院温泉」、そして黒部の沢登りの途中で入った小屋掛けだけの「高天原温泉」、どれも山旅の思い出とともに心に残る温泉だった。登山口・下山口にある温泉にまで話を広げればそれこそ無数の温泉があるが、私はやはり草津温泉や乗鞍岳温泉、日光湯元温泉、栗駒山の須川温泉など白濁した硫黄泉が好きだ。

最近は街なかでも地下深く掘れば温泉が出て、温泉施設誕生となるわけだが、山の天然温泉とは圧倒的に成分が異なる場合が多い。そもそも温泉とは、地中から湧出する温水で、25度以上のもの、または特定物質を一定量含んでいるものを言うので、温度が25度以上であれば無条件に温泉となり、温度が25度以下で成分も含まれていなければ、それは単なる地下水ということになる。街なかの温泉は、1000mも1500mも地面をボーリングして強制的に地下水をくみ上げる場合が多いが、地下では100m深くなるごとに約3度ずつ温度が上がるので地下1000mでは地上より30度も温度が高くなり、地下水は相当に温められるわけで、25度以上あればすべて温泉という定義に当てはめれば成分の多少に関わらずみんな温泉になってしまう。一方、山の温泉には自然湧出の温泉が多く、地下からゆっくりと染み出してくる過程で様々な成分を取り込み、必然的に成分の濃い名湯が生まれるわけで、入浴施設ありきで地下水をくみ上げたにわか作りの街の温泉とはわけが違うのである。

自分の足で登った山で、絶景を見ながら湯につかるという山の温泉は、その感動だけで街の温泉とは違うのだが、成分的に見ても素晴らしいものが多く、登山後心肺機能が活発になり、身体の代謝と循環が高まった状態で入浴するので温泉成分を取り込みやすいという利点もある。

この冬には「くろがね温泉」に泊まる冬の安達太良山の企画もあるが、身体の冷える冬の山登りこそ、山の温泉でほっこりしたい。さあ、私たちは、温泉天国ニッポンに生まれた幸せに感謝しつつ、これからも山登りと温泉入浴のコンビネーションを楽しんでいこう。

上野 司

 

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