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5月号「みんなでスポーツを気軽に楽しもう」

5月号「みんなでスポーツを気軽に楽しもう」

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 この4月からスポーツ吹き矢の教室が始まった。3回の体験会を経て、10名を超える仲間の参加でスタートだ。私も体験会に何回か参加して、初めてスポーツ吹き矢というものをやってみたが、呼吸法から入る健康体操的な面と得点ゲームとしての緊張感と面白さの面が合わさり、これがなかなか楽しい。始まって1年半になる室内クライミング教室も、練習を積んでいくことで、初めは全く歯が立たなかった壁がだんだん登れるようになっていく楽しさからだろう、多くの参加者で盛り上がっている。ヨガ教室やソフトバレー教室も、人数は多くないが、確実に参加者の心をつかんでいる。やってみると、本当にどのスポーツも楽しい。

 中高年のスポーツは、「健康のために始めた」という方が多いかもしれないが、長続きするためにはやはり「楽しい」ということが大切だろう。「もう少しうまくなりたい」という目標があって練習する。その結果だんだんうまくなってくる。また次の目標ができる、そしてまた練習してうまくなっていく。目標・練習・うまくなる、こういうプロセスが全体として楽しいのだろう。何歳になっても、人は練習によって上手になっていく。自分が成長しているという感じ、これはなかなか日常生活では味わえないだけに貴重なひと時なのだろう。

 多くの日本人は、学生の間は大概スポーツをする。学校での授業だけでなく、運動部に入る者も多い。しかし、卒業し社会人になると、スポーツをやれる環境が一気に失われていく。仕事が忙しく、時間がとれないし、近くに気軽にスポーツできる場所もない。登山においても、昔から「山をやめる3つの関門」ということが言われている。言うまでもなく、就職・結婚・出産という関門だ。会社からの冷たい目に耐え、忙しい仕事の合間をぬって何とか登山を続けていても、結婚すれば、結婚相手や周りから「まだやっているの、そろそろやめたら」の声がかかる。それでも何とか相手の理解を得て山登りを続けていても、出産・子育てということになると万事休す、「親としての責任」という重しが加わり、大方の人がここで登山の世界から足を洗うことになるわけだ。登山の場合の特殊性もあるが、社会人になっても続けている人は、よほど好きで、条件のある人だろう。

 そんな中、スポーツをやる高齢者が増えてきていることはうれしいことだ。雇用や結婚・子育てをめぐる状況をみるに、すべての世代で、気軽にスポーツを楽しめる状況になるにはまだまだ時間がかかりそうだが、高齢者からでも山登りとスポーツの輪を広げていこう。そもそも、100年前はスポーツできる人は、よほどの金持ちか特権階級だった。人類史上に現れた自由時間=余暇を自由に使える人と使えない人という格差が厳然とあったわけだ。それが社会の発展の中で、今では「すべての国民に保障されるべき権利だ」という考え方が主流になってきている。考え方・理念はそうなっても、それを現実のものにするには時間と努力が必要なのだろう。現代の日本では、長引く経済不況の中で雇用が不安定になり、余暇時間が削られている。経済格差もすすんでいて、スポーツしたいけどできないという人も多い。こういう中ですべての国民がスポーツをできる自由な時間をもち、無理なく適切な費用で楽しめる環境づくりが求められている。企業や行政の積極的なイニシアチブとともにNPOを含む広範な市民団体の努力が求められている。

 さあ、みんなスポーツを楽しもう。老いも若きも、男も女もいつでも気軽にスポーツができる、みんなでそんな社会を作っていこう。かっこよく言えば、誰もが気軽にスホーツできることは、歴史の中で人間が勝ち取り、作り上げてきた権利なのだから。

 

上野 司

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